コルチコステロンは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。
免疫や炎症、ストレスなど、さまざまな生理機能に重要な役割を果たしています。
今回の記事では、
- コルチコステロンの基礎知識
- 測定方法
- 作用
- ストレスとの関係
- コルチコステロンを減らす方法
について解説します。
コルチコステロンとは
コルチコステロンは、ステロイドホルモンの一種で、副腎皮質から分泌されます。
ステロイドホルモンは、脂質性ホルモンの一種です。
脂溶性であるため、細胞膜を透過して細胞内に取り込まれます。
コルチコステロンには、以下の3つのタイプがあります。
- グルココルチコイド:糖代謝や炎症、免疫などに作用する
- ミネラルコルチコイド:ナトリウムや水分の保持、血圧の維持などに作用する
- アンドロゲン:男性ホルモンの一種
測定
コルチコステロンの測定には、血液検査、尿検査、唾液検査などがあります。
血液検査
最も一般的に用いられる方法です。
採血して、血液中のコルチコステロンの濃度を測定します。
尿検査
24時間尿を採取して、尿中のコルチコステロンの量を測定します。
唾液検査
唾液中のコルチコステロンの濃度を測定します。
コルチコステロンの作用
コルチコステロンは、以下のさまざまな生理機能に重要な役割を果たしています。
免疫
コルチコステロンは、免疫機能を抑制する作用があります。
免疫機能が過剰に働くと、炎症やアレルギーなどを引き起こす可能性があります。
コルチコステロンは、これらの症状を抑える働きがあります。
炎症
コルチコステロンは、炎症を抑える作用があります。
炎症は、
- 細菌やウイルスなどの異物への感染
- 怪我
などの外部刺激によって引き起こされます。
コルチコステロンは、炎症を起こしている部位の血流を抑えて、炎症の原因となる物質の産生を抑制する働きがあります。
糖代謝
コルチコステロンは、糖代謝を促進する作用があります。
コルチコステロンは、肝臓で糖の合成を促進します。
筋肉や脂肪細胞で糖の利用を促進する働きがあります。
血圧
コルチコステロンは、血圧を維持する作用があります。
コルチコステロンは、腎臓でナトリウムの再吸収を促進します。
血管を収縮させる働きがあります。
骨格筋
コルチコステロンは、骨格筋の分解を抑制する作用があります。
コルチコステロンは、骨格筋でタンパク質の分解を抑制する働きがあります。
精神
コルチコステロンは、気分を安定させる作用があります。
コルチコステロンは、脳の神経伝達物質のバランスを整える働きがあります。
コルチコステロンは、さまざまな生理機能に重要な役割を果たすホルモンです。
しかし、ストレスが続くと、コルチコステロンの分泌量が過剰になります。
免疫力や精神面に悪影響を及ぼす可能性があります。
コルチコステロンとコルチゾール
コルチコステロンは、コルチゾールの別名です。
コルチゾールは、コルチコステロンの一種です。
最も多く分泌されるステロイドホルモンです。
コルチコステロンとストレスの関係
コルチコステロンは、ストレスに応じて分泌量が増加します。
ストレスが続くと、コルチコステロンの分泌量が過剰になります。
免疫力や精神面に悪影響を及ぼす可能性があります。
コルチコステロンを減らす方法
コルチコステロンを減らすには、以下の方法が有効です。
- ストレスを溜め込まないようにする
- 適度な運動をする
- バランスの良い食事を心がける
- 十分な睡眠をとる
ストレスを溜め込まないようにする
コルチコステロンは、ストレスに応じて分泌量が増加します。
そのため、ストレスを溜め込まないようにすることが、コルチコステロンを減らすために重要です。
ストレスを溜め込まないためには、以下のことに取り組みましょう。
- 趣味や好きなことに没頭する
- リラックスできる時間を確保する
- 信頼できる人に相談する
適度な運動をする
適度な運動は、ストレス解消に効果的です。
また、運動によって、脳から分泌されるエンドルフィンなどのホルモンが、コルチコステロンの分泌を抑える働きがあります。
- 1日30分程度のウォーキング
- 軽い筋トレ
などを、週に3~5回程度行うのがおすすめです。
バランスの良い食事を心がける
バランスの良い食事を心がけることで、ホルモンバランスを整えることができます。
特に、
- ビタミンCやE
- セレン
- マグネシウム
などの栄養素は、コルチコステロンの分泌を抑える働きがあるとされています。
十分な睡眠をとる
睡眠不足は、ストレスを増加させる原因となります。
十分な睡眠をとることで、ストレスを溜め込みにくくなります。
コルチコステロンの分泌を抑えることができます。
成人には、7~8時間の睡眠が必要とされています。
これらの方法を組み合わせて、コルチコステロンの分泌量を抑えましょう。