私たちの体は、主に酸素、炭素、水素、窒素の4元素で構成されています。
しかし、そのほかにも、
- カルシウム
- 鉄
- 亜鉛
など、さまざまな元素が体内で重要な働きをしています。
これらの元素を総称して「ミネラル」と呼びます。
ミネラルとは
ミネラルは、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
ミネラルの主な働きは、以下のとおりです。
- 骨や歯の形成
- 神経や筋肉の働きの調節
- ホルモンの合成
- 代謝の促進
骨や歯の形成
カルシウムやリンは、骨や歯の形成に欠かせないミネラルです。
カルシウムは骨の主要な成分です。
リンは骨の強度を保つ働きをしています。
カルシウムやリンが不足すると、骨粗しょう症や歯周病などのリスクが高まります。
神経や筋肉の働きの調節
ナトリウムやカリウム、マグネシウムは、神経や筋肉の働きの調節に重要なミネラルです。
ナトリウムは細胞外液の浸透圧を保つ働きをします。
カリウムは細胞内液の浸透圧を保つ働きをしています。
マグネシウムは、神経伝達物質の合成や筋肉の収縮に必要なミネラルです。
ナトリウムやカリウム、マグネシウムが不足すると、
- 疲労感
- 不眠症
- 筋肉の痙攣
などの症状が起こったりする可能性があります。
ホルモンの合成
ヨウ素や亜鉛、鉄などは、ホルモンの合成に必要なミネラルです。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料となります。
亜鉛はインスリンや成長ホルモンなどの合成に必要です。
鉄はヘモグロビンの合成に必要なミネラルです。
ヨウ素や亜鉛、鉄などが不足すると、
- 甲状腺機能低下症
- 成長障害
- 貧血
などの症状が起こったりする可能性があります。
代謝の促進
亜鉛や銅、マンガン、セレンなどは、代謝の促進に必要なミネラルです。
亜鉛は、タンパク質や脂質の代謝に関係します。
銅は、鉄の吸収やエネルギー代謝に関係します。
マンガンは、糖の代謝に関係します。
セレンは、抗酸化作用を有します。
細胞の損傷を防ぐ働きがあります。
亜鉛や銅、マンガン、セレンなどが不足すると、
- 肌荒れ
- 抜け毛
- 疲労感
などの症状が起こったりする可能性があります。
このように、ミネラルは、さまざまな働きを担っており、健康維持に欠かせない栄養素です。
ミネラルの種類
ミネラルは、体内での必要量や働きによって、大きく分けて以下の2つに分けられます。
- 必須ミネラル
- 非必須ミネラル
必須ミネラル
必須ミネラルは、体内で合成できないため、食事から必ず摂取しなければならないミネラルです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、必須ミネラルは以下の15種類に分類されています。
- カルシウム
- リン
- マグネシウム
- カリウム
- ナトリウム
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
- ヨウ素
- セレン
- クロム
- モリブデン
非必須ミネラル
非必須ミネラルは、体内で合成できるため、食事から摂取する必要はありません。
しかし、体内での働きが重要であるため、適度に摂取することが望まれています。
ミネラルの1日分の必要量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、各ミネラルの1日分の必要量は以下のとおりです。
ミネラル | 男性 | 女性 |
---|---|---|
カルシウム | 750mg | 650mg |
リン | 700mg | 650mg |
マグネシウム | 370mg | 280mg |
カリウム | 2,500mg | 2,000mg |
ナトリウム | 2,000mg | 1,500mg |
鉄 | 8.5mg | 11.2mg |
亜鉛 | 10.0mg | 8.0mg |
銅 | 1.2mg | 1.0mg |
マンガン | 2.0mg | 1.8mg |
ヨウ素 | 150μg | 130μg |
セレン | 55μg | 40μg |
クロム | 35μg | 25μg |
モリブデン | 25μg | 20μg |
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ミネラルを摂取する時の注意点
ミネラルは、過剰摂取にも注意が必要です。過剰摂取は、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、カルシウムの過剰摂取は、腎臓結石や高カルシウム血症などの原因となることがあります。また、鉄の過剰摂取は、肝機能障害や貧血の悪化などの原因となることがあります。
各ミネラルの摂取量の基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められています。食事からミネラルを摂取する場合は、これらの基準を参考にしましょう。
ミネラルが豊富な食べ物
ミネラルは、さまざまな食べ物に含まれています。
代表的なミネラルが豊富な食べ物は、以下のとおりです。
ミネラル | 食べ物 |
---|---|
カルシウム | 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、海藻類など |
鉄 | レバー、赤身肉、牡蠣、小松菜、ひじきなど |
亜鉛 | 牡蠣、レバー、赤身肉、納豆、きのこ類など |
マグネシウム | 全粒穀物、ナッツ類、豆類、海藻類など |
カリウム | 野菜類、果物類、いも類、豆類など |
カルシウム
骨や歯の形成に欠かせないミネラルです。
カルシウムが不足すると、骨粗しょう症や歯周病などのリスクが高まります。
カルシウムが豊富な食べ物には、牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、海藻類などがあります。
鉄
ヘモグロビンの材料となるミネラルです。
ヘモグロビンは、血液中の酸素を運ぶ働きがあります。
鉄が不足すると、貧血を引き起こす可能性があります。
鉄が豊富な食べ物には、レバー、赤身肉、牡蠣、小松菜、ひじきなどがあります。
亜鉛
免疫力や代謝の維持に重要なミネラルです。
亜鉛が不足すると、
- 免疫力が低下します。
- 肌荒れや抜け毛などのトラブルが起こったりする可能性があります。
亜鉛が豊富な食べ物には、牡蠣、レバー、赤身肉、納豆、きのこ類などがあります。
マグネシウム
筋肉や神経の働きの調節に重要なミネラルです。
マグネシウムが不足すると、
- 疲労感
- 不眠症
などの症状が起こったりする可能性があります。
マグネシウムが豊富な食べ物には、全粒穀物、ナッツ類、豆類、海藻類などがあります。
カリウム
血圧の調整や筋肉の働きの調節に重要なミネラルです。
カリウムが不足すると、
- むくみ
- 高血圧
などの症状が起こったりする可能性があります。
カリウムが豊富な食べ物には、野菜類、果物類、いも類、豆類などがあります。
これらのミネラルをバランスよく摂取することで、健康を維持することができます。
ミネラルと髪の毛の関係
ミネラルは、髪の毛の健康にも重要な役割を果たしています。
たとえば、カルシウムは、髪の毛の毛根を強くする働きがあります。
また、鉄は、ヘモグロビンの材料となります。
そのため、血液中の酸素を髪の毛に運ぶ役割を担っています。
亜鉛は、髪の毛の成長を促進する働きがあります。
そのため、ミネラルが不足すると、髪の毛のトラブルを引き起こす可能性があります。
具体的には、以下のような症状が現れることがあります。
- 抜け毛
- 細毛
- 枝毛
- パサつき
- うねり
ミネラルを豊富に含む食べ物を食べたり、サプリメントを摂取したりすることで、髪の毛の健康を維持することができます。
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